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表彰理由
新規性:
本報文は、改良土とジオグリッドとを組み合わせた補強土壁構造物の施工実験と施工事例および現地計測結果について報告するとともに、本工法の有用性や現場への適用性について記述している。
改良土には、現地発生材と短繊維と固化材を混合した材料を用いたことや、壁面材に突起付のプレキャストパネルを用いて施工性を向上させたことや補助アンカーを用いて安定性に寄与させる新規性が認められる。現場への適用性の確認は変形の計測のほか、ジオグリッドと改良土との引き抜き実験を行うことにより安定性が認められた。
社会貢献度:
盛土本体にジオグリッドを敷設するだけでなく、短繊維を用いて現地発生材を改良土に適用できることを可能にしたことなどジオシンセティックスの用途を広げて新しい補強土壁構造物の構築方法を提案したことは社会的な貢献度が大きいと判断した。
さらに現場への適用事例を増やすことによって、安定性の確認や変形性の確認などを行うことにより、構造物としての信頼性が向上するものと期待できる。
以上より、本報文は既存のジオシンセティックス技術の新分野への適用を示したとういう点から、技術賞としてふさわしく、表彰するものである。